人も歩けばなにかにあたる

本当は山行レポートを書く予定ですが、なぜかまずは今秋、東海道五十三次を徒歩で一気に歩いた記録から。

東海道五十三次徒歩の旅14日目(水口・三雲~三条大橋)

10月5日(日) 最終日

この日は約束があった。
大阪に住む友人とご飯を食べようということになっていた。
友人には子どももいる。
家族一緒でということになっていたので
約束に遅れるわけには行かなかった。

なので、漫画喫茶を出発したのは
いつもより早い6時。
小雨が降っていた。
この日は台風が来ていて
進路的には台風に向かって歩いてるような感じだった。

途中のコンビニで朝食を買い
本格的に雨への支度をする。
レインウエアの上にツェルトをかぶる。
傘は持たない。
多少蒸れてはしまうが
こうすることで中が雨で濡れることはまずなかった。

箱根越え以来の雨だった。
なので14日間のうち、2日しか雨が降らなかったことになる。
なんて天気に恵まれた旅だったのだろう。
そう思って歩を進めた。

 

足は痛かった、が約束があった。
僕が遅れることで、子どもたちのご飯の時間が遅くなってはいけない。
その使命感で、できるだけ早く歩いた。
この速さで歩いて、行けるところまでいこう。
足が痛くなったら、その時に考える。
そうして僕は14日間で最も早いスピードで歩いた。

f:id:mountaintraveler:20150126073054j:plain

雨の日の装備

f:id:mountaintraveler:20150126073110j:plain

石部宿に向かうまでにあったうつくし松の看板。
だが、うつくし松がどこにあったのかはわからなかった…

f:id:mountaintraveler:20150126073056j:plain

石部を越え、草津までの道に見える近江富士(三上山)

f:id:mountaintraveler:20150126073057j:plain

「ほっこりまつり」とはなんだろう?

f:id:mountaintraveler:20150126073058j:plain

一里塚を見るのも今日が最後となる 

石部を越え、草津には予定よりだいぶ早く着いた。
雨はだいぶ弱まっていた。
マックで休憩していたが、そのまま早めの昼食にする。
草津東海道中山道が交差する宿場として
今でも名残りを多く残している街だった。f:id:mountaintraveler:20150126073100j:plain

草津宿本陣は現存する本陣では最大級らしい

f:id:mountaintraveler:20150126073101j:plain

やっと来た大津! 

草津を過ぎると、雨が強くなってきた。
これからもっと強くなってくるのだろうか。
それは勘弁してほしい。
ただ雨の中を歩くという行為は
ひたすらに歩くことだけに集中させた。
足の痛みはこれまでで一番感じず、ペースも順調だった。

f:id:mountaintraveler:20150126073102j:plain

瀬田の唐津橋。なんか見たことある気がする!

f:id:mountaintraveler:20150126073103j:plain

今井兼平の墓。東海道とはあんまり関係なかった 

f:id:mountaintraveler:20150126073104j:plain

趣をあえて新築したのかな。エアコンの室外機のところがカッコイイ

隣に琵琶湖があるのに
そこを見る余裕なんぞなにもなく大津を過ぎた。
もうゴールの三条大橋まで宿はない。

あとちょっと、という気分になっていたところで
かなりの上り坂が目の前に現れた。
逢坂だ。
雨に打たれ、疲れた身体にこの坂は結構きつかった。

f:id:mountaintraveler:20150126073105j:plain

線路を渡ればすぐに参道!

f:id:mountaintraveler:20150126073106j:plain

逢坂山関。雨でこの登りはつらかった…

逢坂を登りきり、下っていくと山科の町並みは
グッと京都感を増していた。
そして、とうとう京都府に入った。

f:id:mountaintraveler:20150126073107j:plain

来ました、京都!なぜか足はあまり痛くなかったなー

このへんからほぼ雨は止んでいた。
台風はどうしたんだろうか。
「あとはこの街を進むだけ」
そう思っていたところにまた上り坂が出てきた。

旧道とわかりにくい看板を見つけて
横道に入ると狭い道をかなりの勾配で登っていく。
また、上りか…。

f:id:mountaintraveler:20150126073108j:plain

この黄色い看板が、旧道への看板

さすがに疲れていてもう登りは嫌だった。
でもこれで最後だ。
ランニングしているおっさんがいたので
引き離されないように早足でついていく。
登り切るともう暗くなっていた。
なんとなく京都っぽい町並みになってきた。
京都に来たんだと実感する。

この時間に三条大橋までつけるなら
なんとか約束の時間に間に合いそうだ。
時間は18時。
自分でもよく歩いたなと思う。
三条大橋付近は人が多く、キラキラしていた。

f:id:mountaintraveler:20150126073109j:plain

突如、横から名前を呼ばれた。
一緒に御飯を食べようと約束していた友人が
子ども抱いて立っていた。

「意外と早かったやん」

14日間のゴールは
ひっそり、地味に終わるものだと思っていたのに
なんか嬉しいじゃねーか、このやろう!

f:id:mountaintraveler:20150126073053p:plain

水・食費 ¥1191
銭湯 ¥1000
合計 ¥2911